大相撲の弓取り式で弓を落としたらどうなるの?

弓取り式とは、大相撲の結びの一番が終わったあとに、幕下力士が行司から弓を受け取って、これを土俵の上でクルクルと回すことを言います。
もともと弓取り式はその場所の優勝力士が千秋楽に行っていた儀式でした。
のちに幕下力士が代行して行うことになったのです。
現在のように、場所中、毎日、弓取り式が行われるようになったのは昭和27年(1952年)からです。
弓取式はその日の相撲を締めくくる大事な儀式です。
失敗は許されません。
しかし人間が行うことですから、うっかりして弓を落としてしまうこともありえます。
では落としてしまったらどうするのでしょうか。
手で拾って続ける?
行司に拾ってもらう?
弓をそのままにして土俵を下りる?
正解はいずれでもありません。
落とした弓を手で拾うと、手が土俵につくことになります。
力士が土俵に手をつけると言うことは負けを意味するので、手では拾いません。
弓を落としたら足で拾うことになっているのです。
足を使って拾い上げ、続行します。
足で弓を拾い上げるのはけっこう難しいのです。
そこで、弓取り式を行う力士は万一に備えて、日ごろから足で弓を拾う練習をしているのです。