カルロス・ゴーン情報まとめ(日産復活・逮捕情報)

基本情報
- 肩書:ルノーの取締役会長兼CEO、日産自動車の前会長、三菱自動車工業の会長
ルノー・日産・三菱アライアンスの社長兼最高経営責任者(CEO)をも兼務 - 出身:ブラジル
- 生誕:1954年3月9日
- 国籍:ブラジル,フランス,レバノン
- 住居:日本
エピソード
- 両親はレバノン人
- 本人はブラジルで誕生し、中東教育はレバノンのベイルートで受けた。
- パリ国立高等鉱業学校を卒業後、フランス大手タイヤメーカー、ミシュランに入社し18年間在籍。
- ミシュラン社での業績を評価され、ルノーに上席副社長としてスカウトされ、ルノーの再建に貢献する。
- 1993年3月、当時経営危機に陥っていた日産はルノーと資本提携を結び、1996年6月、当時ルノーの上席副社長の職にあったゴーン氏が、ルノーにおけるポジションを維持しつつ、日産自動車の最高執行責任者(COO)に就任した。
- 後に日産自動車の社長兼最高経営責任者(CEO)、ルノーの取締役会長兼CEO(PDG)、ルノー・日産アライアンスの会長兼最高経営責任者(CEO)に就任する。
- 「コストキラー」「ミスター調整(FIX IT)」などの異名をとるゴーンは、日産再建に向け社員とともに「日産リバイバルプラン」を作成。短期間で日産の経営立て直しを果たした。
- 2003年にフォーチュン誌は、彼を「アメリカ国外にいる10人の最強の事業家の一人」と称している。
カルロス・ゴーン氏による日産の復活劇
- 1999年3月27日にルノーが日産の株式の36.8%を取得し、ルノーと日産の間で資本提携が結ばれた。
- 同年6月、ゴーンはルノーにおける役割を維持したままで、最高執行責任者(COO)として日産に入社した。
- 翌年2000年6月に日産自動車の取締役に就任。さらに2001年6月に日産の最高経営責任者(CEO)に選出された。
- ゴーンが入社した当時の日産は約2兆円(200億ドル)の有利子負債を抱え、国内販売でもラインナップされた46モデル中、3モデルだけが収益をあげている状況だった。
- ルノーからの巨額な資金投入が行われた上で、ゴーンの指揮下、両社の間でプラットフォームやエンジン、トランスミッションなどの部品の共通化、購買の共同化などを通じて両社のコストダウンを行う。
- 「日産リバイバルプラン」計画の下、東京都武蔵村山市にあった日産自動車村山工場などの生産拠点の閉鎖 や子会社の統廃合、航空宇宙機など余剰資産の売却や21,000人(総従業員の14%)を目標とした早期退職制度による人員の削減など大幅なリストラを行った。
- 同時に新車種の投入、インテリア・エクステリアデザインの刷新やブランドイメージの一新などの計画を次々に敢行。
- また、日産自動車社内の公式言語を日本語から英語に変更し、初めてのキー・グローバル戦略会議は、ヨーロッパや北米の幹部も出席して開催された。
- 日本の商慣習にとらわれない過激な手法に、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「公共の怒りの対象となる」とのコメントを掲載するなど、先行きを危惧する声も少なからずあったが、ゴーンは自らテレビコマーシャル出演し、インタビューに応えるなど、積極的にメディアに登場した。
- 残された日産自動車社員および株主・関係者への配慮を見せ、日産自動車株主総会を日本語で行うなど、全ての利害関係者に向けて社内改革をアピールした。
- その結果、1998年には約2兆円あった有利子負債を、2003年6月には全額返済(社債を発行して、銀行からの借入金を全部返済している)。
- 1999年度には1.4%であったマージンは2003年度には11.1%へと増加させる成果をあげ、12%前後まで落ちた国内シェアを20%近くまで回復させた。
- しかし同時に、2002年にゴーン氏が打ち立てた3か年経営計画「日産180」(全世界での売上台数を100万台増加させ、8%の営業利益率を達成し、自動車関連の実質有利子負債をなくす)における販売台数目標達成のために、計画終了(2005年9月30日)前に集中して新型車投入を行ったことによる、計画終了以降の国内販売台数の深刻な低迷や、「ゴーン以前」に入社した居残り組と、「ゴーン後」に入社した中途採用組の社内闘争など、深刻な問題を残したままの親会社への復帰に疑問の声も上がっている。
- 2005年5月には、ルノーの取締役会長兼CEO(PDG)にも選ばれ、これによりゴーンはルノーと日産というフォーチュン・グローバル500にリストされる2社を同時に率いる世界で初めてのリーダーとなった。
- また、ゴーンは両社の株式持ち合いと同等所有権を含む戦略的パートナーシップを統括するルノー・日産アライアンスの社長兼最高経営責任者(CEO)をも兼務している。
- 2010〜2014年の間、ルノー・日産アライアンス(AvtoVAZを含めた)は、全世界自動車市場の約10%のシェアを維持し続けている
- 2014年の時点でアライアンスは世界第4位の自動車グループとなった。
東京地検特捜部による逮捕
- 2018年11月19日、日産において開示されるゴーン自身の役員報酬額を少なくするため、長年にわたり、実際の報酬額よりも少なく見せかけた額を有価証券報告書に記載していたとして、東京地検特捜部により金融商品取引法違反容疑で代表取締役グレッグ・ケリー とともに逮捕された。
- 日産自動車の西川廣人社長は、同年11月22日に招集する取締役会議でゴーンを同社の会長職を解任する方針と説明した。
- 日産は内部通報により、数か月間の内部調査を行ってきたことをプレスリリースで明らかにしている。
- 11月22日、日産の取締役会において日産の会長職と代表取締役から解任され、取締役となった